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ゆ か: たみこさんは割と身近なもの、あふれた過去を整理する場面が多いと思いますが、

ゆりこさんは、ちょっと関わるシーンが違いますよね?

 

 

ゆりこ: そうですね。

一般家庭よりは、病院や施設がおおいですね。

 

 

ゆ か: どんなアプローチで病院や施設を対象とされているんですか?

 

 

ゆりこ: 私の会社名もそうなんですけど 「インテリアをリハビリテーションする」がテーマですね。

インテリアや住空間って、人に力を与えたりとか、癒しを与える場だと思ってるんです。

それがうまく機能していない時に、人にリハビリするように空間にリハビリをという働きかけを行っています。

 

 

ゆ か: 働きかけとしてはとっても斬新だと思うんです。

一般的にはリハビリと言うと人っていうイメージがあると思うんですねよ。

 

 

ゆりこ: そうですね。 建物だって、デザイナーが幸せになって欲しいと思って作られていると思うんです。

だけど、そうはなっていない現状があるので まるで人に働きかけるように空間に働きかけ

さらにその使い方をもう一度人に教える。

その空間だけ治療しても、使う人が使い方を分かっていないと、また元に戻ってしまうんです。

 

 

ゆ か: なるほど!

 

 

ゆりこ: なので空間を適切にする事、その使い方を人に教える事に力を入れています。

 

 

ゆ か 普通はインテリアを教えて、人の考え方や感覚を変えてからインテリアを変えるって言う流れですよね。

じゃなくて逆に、まずインテリア/空間をリハビリする。

で、その空間に所属する人々の変化を生み出すような感じですか?

 

 

ゆりこ: 既にある建物の場合はそうですね。

新しく作る場合は、そういう考え方のもと 建てて行きましょうよ、でやっています。

 

 

ゆ か: ではやはりゴール、目指すビジョンがあって、それにふさわしい空間を作ろうっていう感じですか?

 

 

ゆりこ: そうですね。

 

 

ゆ か: 椅子というのが良く出てきますが、椅子に特にこだわりがあるのですか?

なんでこんなにも不要なものが多いのか?

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たみこ: それは過去と未来に視点が飛んでいる。

自分が何が好きなのか?という感覚が麻痺している事。

 

「他人から貰ったものが捨てられない」「皆が良いと言うから欲しくなっちゃった」とか…

本当に自分が欲しいものなのか。と言う事に気づいていない。

 

後は、過去の自分への執着、未来への不安、それが物って形になって現れているだけ。

いま、ここで自分に必要な物。ってことに焦点が当たらない。

だから物が増えて行く…って感じかな?

 

 

ゆ か: じゃあ、自分の何が好きなのか?の基準に気づく事が大事ってことですよね。

 

 

たみこ: そうそう。それって、その思考回路が自分の中にどんな可能性、才能があるのか?ってことに

気づく思考回路と全く同じなんだよね。

好きな物をしぼって、周りにおいて生活して行く事で、

自分の中の光るものが見つけやすくなるんじゃないのかなって思う。

 

 

ゆ か: では、たみこさんにとって、一言で” 物と人間の関係” とは何ですか?

 

 

たみこ: うーん、なんだろう・・・・

物は自分の思いや気持ちを鏡みたいに反射していると思う。

 

人と物の関係で、「とりあえず使っている」とその使ってる物からもとりあえずエネルギーが出てる。

「とりあえずの部屋」で暮らしている…

すると、「何となく人と付き合う」「なんとなく仕事したり」ってなる。

その現象を起こす原因になりがち。

 

逆に気持ちをHAPPYにしてくれる物に囲まれて生活する事で

物達からもその気持ちが跳ね返ってきて、いろいろな所に広がって行く、と言う事かな。

 

 

ゆ か: なるほど…

意識しなければ通り過ぎちゃうけど、意識してみると自分が人や物に対して

どういう風に接しているかが、部屋をみたらまるわかりってことですね。

 

 

たみこ: そそそ。

部屋にあるものって言うのは、「自分の習慣の展示室」みたいなね。

 

 

ゆ か: 自分のかけらが散らばってるわけですね。

 

 

たみこ: 何となくやっている事にこそ、自分の意識していない部分が現れているから。

なんで、なんでこの物が好きなのか、 なんで、この物にぴんとこないのか。

そこを紐解いて行くと、自分を発見するヒントがあると思う。

 

ゆ か: うんうんうん、なるほど。 自己発見になりますね。

 

 

たみこ: そうそう。

 

 

ゆ か: 物を解き明かして行く、買う習慣を見直していく=自分を発見できる

見つけられなかった自分の感覚が分かる様になるんですね。

 

それをたみこさんは「お片づけ」と言う形で人々に伝えているんですね。

 

 

たみこ: そうですね。

その時々で物と人との関係は変わっていくじゃないですか。

その変化に気付かず、10 年前の物と自分との関係を引きずると、物が増えて行くんです。

 

「今の自分にふさわしい物か」を常に感じる事

それが自分を発見できる、自分をもので表現する事だと思います。

インテリアや住空間から、アプローチする。

sophia philein エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター 秦由佳がモノとココロについて、いろんな方と対談するシリーズ

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