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はた  では、つくしさんのノートなど素材というか、

    なんか生い立ちみたいな感じ?の、

    できあがるまでのお話をお聞きできたらなと思います。

    後、この前お伺いしていた話の「暮らしの中に取り入れたい」

    みたいなニュアンスも再度お聞きできればなと思います。

 

吉川  そうですね、ノートと鉛筆が一番最初にできて。

    ノートは大学ノートとモレスキンの間のノートみたいなのを

    イメージしているんです。

    もともとオリジナルの文具はなかったんですね、

    お店がOPENした時は。

     

はた  9年前?ですよね??

 

吉川  はい、9年前ですね。この間の6月で9周年で、

    もともとは萩原の母親、まあ、おばちゃんがやってて。

    すぐそこに中学校があるんですけど

    「中学校の前の文具屋さん」だったんですね。

    それこそ、上履きとか、消しゴムとか、原稿用紙とか

    売っているような文具屋さんだったんですけど。

    あと「いちご新聞」とかね。

 

一同  あー懐かしい!!

 

吉川  そういう時代がありまして、それが50年くらい前から、

    「つくし文具店」ていう形になりました。

    もともと、萩原が昭和36年生まれで、その時にこの家を建てて、

    そもそも文具店をやるつもりとかはなかったらしいんですけど、

    ご商売されてたおうちで育ったことで「何かやりたい」というのがあり、

    この場所をつくって、なんか中学校ができたりしたお陰か

    自然とここが文具屋になっていったって流れですね。

 

はた  へぇー。

 

吉川  で、長いこと文具屋をやってたんですけど、

    ご高齢になってきたことと、若い中学生とかが

    コミュニケーションが取れなくなってきたこともあって。

 

はた  あ、それはおばちゃんと??

 

吉川  というよりも、昔は何かあると挨拶したりとかがあったと

    思うんですけど。そういうのもなくなってきて、

    自然と取れていたコミュニケーションもなくなって、

    おばちゃんも面白くなくなって、みたいな。

 

はた  そっかそっか。なるほど、そういうこともありますよね。

 

吉川  ここの近所では「つくしのおばちゃん」といったら、

    有名人だったみたいなんですけど、そういうのも無くなっていって。

    中学生も文具買うならコンビニでいーや、みたいになってきて、

    文具店を辞めてしまったんです。

    そのあと、ここは選挙事務所になったり、

    クリーニングの取り次ぎ場所とか(笑)色々していたらしいです。

 

はた  凄いですね、そこから文房具屋さんに復活だなんて。

 

吉川  萩原が会社を辞めて、それまで住宅関係の文化施設だったんですが、

    これからどーしよう…って時に

    仲良しの「ドリルデザイン」さんと飲みに行った新宿で、

    「実は昔うちは文具屋だったんだよね」って話をさらっとしたら、

    「それいいじゃないですか!やりましょうよ!!」って事になったんです。

 

はた  えーーーーー!!さらっと、飲みに行って!?

 

吉川  そうそう、飲みに行った新宿のバーで (笑)

 

はた  すごいですね!まさかの!!!

 

吉川  内装とかもその「ドリルデザイン」さんが行ってくれて、

    文具店としてリニューアルオープンしたのが2005年、

    当初はオリジナル商品もなくて、

    知り合いのデザイナーの物とかを取り扱って始まったんですけど、

    とにかくデザイナーの知り合いが多かったので、

    半年くらいしてから「ドリルデザイン」の方から

    オリジナルの商品をつくりたい!という話がでてきて、

    出来上がったのがこの「ノート」と「鉛筆」だったっていう始まりです。

 

 

はた  なぜ「鉛筆」だったんだろう・・・

 

吉川  なぜ??なんで!?なぜでしょうね・・・(ちょっと考える。)

    基本的に自分たちほしかったから!?

    多分ノートがほしかった、

    きっと鉛筆が作りたかったからだと思うんです。

 

はた  わかります、結局自分たちがほしいものをつくってしまいますよね。

 

吉川  なんか鉛筆とかも子供の頃は使うけど大人になると使わないじゃないですか。

    子供の為の文具ってなると、学習用具みたいな形か

    ファンシー用具みたいな形になっちゃってるので、

    それが嫌で、「そうじゃないもの」を作る、

    自分たちが使いたいと思う「スタンダード」を作りたいって思いで

    鉛筆とノートができたんです。

 

はた  なるほど。

 

吉川  なので、ちょっと太目で大人が持ちやすい、

    ボールペンに近い持ち味なんですよ。

    芯も太目で4Bを使っているので、

    ほんとにボールペンを書くように滑らかになっています。

 

はた  そうですよねー。本当に滑らかですよね、このえんぴつ。

 

吉川  ただの鉛筆を作っても面白くないので、

    一面をカットしてあって、名前が書けるとか(笑)

    そういうエッセンスは残しつつ、

    この鉛筆が使いやすく美しくなるかなど考えています。

    鉛筆の箱もお菓子のパッケージのようにパカッと開けるようになってます。

 

はた  この箱、かわいい!と最初に見たとき思いました。

 

吉川  これごと持ち運べるようなイメージで。

 

はた  2本だけ出して、ほかにカッター入れるとかでもいいですよね。

    そんな使い方もありかもしれない。

 

吉川  後、ノートも使いたい!!と思うノートがなかったんです。

    ずっとモレスキンのノートを使っていたんですけど、

    あれはちょっと縦長で横が狭いんですね。

    やっぱ、デザイナーなので、絵を描くのに使うんですけど、

    絵を描くときにはちょっと物足りないなと。

    で、自分が使いたいと思うノートが欲しいとなって

    この「つくしノート」ができたんです。

 

はた  このゴムのところもまたいい感じの味を出してますよね。

 

 

 

吉川  「ゴムで止める」っていうアイディアはいいねってことだったんですけど、

    そのままではつまらないので、

    そのゴム部分が「題字」を書くこともできたりとか、

    ゴムの調節ができたりとか、表紙の折り返しは、

    ハガキやメモを挟むのにも使えたりとかします。

 

はた  わたし画期的でした、この表紙の折返し!!

    「はさんでる!!!!はさめるんだ!!!」って思って。

 

吉川  結構はさんでますねー。で、あ、ここにあったんだとかなっちゃう(笑)

 

はた  そうそう。付箋とか、フライヤーとかはがきとか、挟んじゃう。

 

吉川  あとA5の変形サイズなんです。1:1:123とか

 

はた  A5より小さい??

 

吉川  そう少しちっちゃいです。

    物として、物体としてどういう比率が一番美しいかを追求して、

    シンプルなだけにそのサイズ感で見せる!って決めて、

    このサイズになりました。

    あと、ノートに使っている紙も、

    目に優しいクリームがかった帳簿用紙は、

    使いやすさと書き心地にこだわって選びました。

 

はた  ほんと目に優しいですよね。

    「白じゃない!!」っていうのがいい。長い時間見ていられる。

    文庫本とか読んでるような印象ですよね。やわらかい感じ♡

 

吉川  この帳簿用紙の紙がしっかりしているので、

    表と裏の差がなくて書き味が滑らかなものです。

 

はた  万年筆で書いても滑らかですよね。

 

吉川  そうですね。ま、そんな感じで、

    最初にできたのはこの鉛筆とノートなんです。

 

はた  書きやすいですよねー。

    うちのスタッフが昔、ソフィアさんの姉妹ブランドとして

    「4B」っていうのを作りたいって言っていたスタッフがいるんですよ。

    なんでかっていったら「4B」の鉛筆に感動したからって。(笑)

 

吉川  へぇー、「2B」じゃないんだ。

 

はた  そう、4が良いって(笑)

    ソフィアさんの中では、みんな4B好きというか、

    太くて濃くて、柔らかいのがすき。Fとかじゃダメ!みたいな。

    なんか書きたくなるんですよねー。

    あと、このロゴデザインも最初にできたんですか?

 

吉川  そう、お店ができたときにです。

    で、「つくし文具店」という名前は以前からで

    萩原のお母さんのおばちゃんの旧姓が

    筑紫哲也の筑紫って書いて「つくし」と読むんです。

    よく文具店であるのは、生えている「つくし」の意味で、

    すくすく育つとかの意味合いがあると思うんですけど、

    そうではなく、ただ単純に旧姓の「筑紫」なんです。

    だからもしおばちゃんが山田って旧姓なら、「山田文具店」だったという。

 

はた  あはは、シンプル(笑)

   

吉川  そうシンプル(笑)

 

    (つづきます。) 

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